小児整形外科について
小児整形外科は、文字通り新生児を含むお子様を対象とした小児専門の整形外科です。お子様は大人を小さくした存在ではなく、ヒトとしての発達途上にあり、日々急速な成長を遂げています。そのため、大人とは少し違った状況にあるお子様特有の病気やけがを、成長過程をよく踏まえながら治療します。お子様はご自身の症状をうまく伝えられないことも多いため、「普段と動きが違う」、「左右で動きが違う」、「歩き方が少しおかしい」など、気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。
対象となる主な疾患
先天性股関節脱臼
先天的に股関節が不安定であることに加え、何かしらの原因が起こって股関節が外れたり、ずれたりしてしまう脱臼です。圧倒的に女児に多く見られます。足を動かした時にポキポキ鳴る、歩き始めが遅く足を引きずっている、などの場合には、選定性股関節脱臼の疑いがあります。足の長さに左右差がみられることで気づく場合もあります。
内反足
内反足とは、足が内向きに捻れるように変形している状態です。放っておくと通常の歩行が困難になりますので、早期から矯正ギプスなどによる治療を始めることが大切です。先天的に内反足になっていることもあるので、違和感を覚えられたらまずは当院へご相談ください。
O脚、X脚
O脚はがに股のようになっている状態です。乳幼児の場合、2歳くらいまでは軽いO脚のことが多いので、あまり心配はいりません。成長とともに自然に矯正されるため、ほとんどは治療を行わずに様子を見ます。しかし歩き始めた頃にO脚が目立つ場合には、「くる病」という、ビタミンDの不足によって弱い骨がつくられてしまう病気の可能性がありますので、一度当院へご相談ください。
一方、両膝が内側に弯曲した状態で、左右の膝の内側をそろえても左右の内くるぶしが接しない状態のことをX脚といいます。両足のくるぶしの間が開いて両脚がアルファベットのXに見えることから、X脚と言われています。通常は2歳頃からX脚となり、7歳頃には成人の脚になってきますので、7歳以降のX脚には注意が必要です。
ペルテス病
ペルテス病は大腿骨の骨頭と呼ばれる箇所の血行が悪くなり、一時的に壊死をきたす疾患です。3～6歳くらいの男児によく見られます。壊死部が正常に回復するまで、装具などを用いて治療を行います。
側弯症
側弯症は、背骨が左右に弯曲した状態になる病気です。小学校高学年から中学校くらいの女児によく見られます。しばらく様子を見る症例も多いのですが、曲がりの程度がひどい場合には治療が必要となります。
